逢びき (1945) : Brief Encounter

互いに配偶者を持つ身でありながら道ならぬ恋に惑う男女の出会いと別れを描いた恋愛映画の傑作である。ノエル・カワードの戯曲『静物画』(Still Life)の映画化であり、デヴィッド・リーンが監督、セリア・ジョンソンとトレヴァー・ハワードが主演した。全編にわたってラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がBGMとして効果的に使用されたことでも名高い.

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逢びき (1945) / Brief Encounterのあらすじ

1938年。中年の男女が駅の待合室にいるところにおしゃべりのドリーが割り込んでくる。2人は最後の別れの時だったのに邪魔をされる。帰りの汽車の中でもドリーは喋りっ放しだった。うんざりしながら帰宅すると、会社員の夫フレッドと2人の子供がローラ(セリア・ジョンソン)の帰りを待っていた。ローラは「駅でめまいを起こしたので少し休む」といい、心配したフレッドは気分展開にクロスワードパズルを勧める。ローラはラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」のレコードを聴きながら、数週間の出来事を振り返っていた。「数週間前まで私は家庭がいきがいの普通の主婦だった。あの日から、私の世界が変わった」と回顧し始める。

主婦ローラは毎週木曜日に、近くのミルフォードという町へ汽車で出かけ、1週間分の買物をし、本屋で本を取替え、簡単な昼食をとり、午後は映画を観たりして夕方の汽車で帰宅するという平凡な結婚生活を送っている。ある日の夕方、目に異物が入ったのを一人の医師(トレヴァー・ハワード)に取ってもらう。次の木曜日にはミルフォードの町で行き会う。その次の木曜日、ローラは食堂で再会。満員だったので同席になり、昼食を食べながら自己紹介をする。彼はアレック・ハーヴェイという開業医で、木曜日毎にミルフォード病院に勤めている友人スチーヴン・リンの代理でやって来るという。アレックはローラは「『枢機卿の恋』と『霧の中の恋』のどちらを観る?」と尋ね、映画館では『情熱の嵐』の予告編が流さる。互いに心を惹かれていき、アレックはまたぜひ会ってくれと頼む。しかし、次の木曜日にはアレックが来ず、落胆して汽車を待っていると、アレックが駆けつけて手術が手間どったという。次の木曜日、映画『情熱の嵐』がつまらず、植物園を散歩してボートハウスで二人は愛の告白をする。帰宅すると息子が頭にケガをしていて、ローラは自責の念にかられる。次の木曜日、郊外にドライヴして愛を語り、アレックに誘われるまま、リンのアパートに向かうと思いがけずリンが早く帰宅。ローラは屈辱から夜の町を歩き回り、警官に娼婦と間違えられそうになる。駅でアレックも妻子ある身の自責に耐えられず別れることにして、南アフリカ、ヨハネスブルグの病院に勤務することに決めたと話す。

次の木曜日、別離の苦しさが胸を締めつけ、思いがつのるが、この時、知人ドリーに見つかる。アレックと別れの挨拶もできないまま、汽車が去っていく。ローラは急行列車に身投げしたい衝動に駆られるを思い留まる。愚直だが善良な会社員の夫フレッド(シリル・レイモンド)は最近のローラの様子から何かを察していたらしいが、何もいわない。夫の胸の中で泣く。

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